縮毛矯正についての疑問にお答えします

縮毛矯正とは/番外編

巷に溢れる縮毛矯正の情報 その真偽を独断と偏見でもの申す。

「最高の....」「究極の....」「超自然な縮毛矯正」は存在するのか?

縮毛矯正が登場してから20年以上 薬剤の種類も数百を超えますが、そんな縮毛矯正に出会ったことはありません。癖を直して自然にするのはかなり進歩しましたが、まだまだ改良の余地はあります。


お客様が求めるベクトルは色々な方向にあり、綺麗に伸ばす、多少癖は出ていても自然にする、髪を極力痛まない、かっこいい 素敵なヘアスタイルになるように、時間も最小限に、料金も安く等々。


お客様が求めるニーズに合致しているのが「最高」であり、サロン側が謳うものではないと思います。

「全く痛まない....」「やればやるほど髪が蘇る縮毛矯正」は存在するのか?

CM等で シャンプー、トリートメントで髪は蘇るなどと謳ってますが、髪の細胞は 爪などと同様に死滅した細胞なのです。ですから切っても痛くも痒くもありません。傷ついた爪は治らないのと同じなのです。どんな薬剤でも修復しないのです。修復したように見えても 一時的なものです。


髪の毛は色々な要素で痛みます。極端に言えば 触るだけでも痛みます。根元の髪が健康なのに 毛先が痛んでるのは その部分が色々なダメージを受けてきたからです。ましてや薬剤を付けて アイロンをする縮毛矯正が まったく傷まないはずはないです。


大事なのは 傷んだ爪がマニキュアやケアによって 痛んでないように見せるのと同じに 縮毛矯正のダメージを最小限にしてきれいに扱いやすいような髪にすることが 大事だと思います。

それではトリートメントで髪は回復するか?

回復しません。


トリートメントで手触り良くしたりすることは出来ますが あくまで一時的なものです。数回のシャンプー後には 元に戻ってしまいます。


確かに パーマやカラーの直後にトリートメントをするのは その後の傷み具合に違いが出ます。

良質なシャンプーやトリートメントは これから痛む髪を極力予防するものだと思って下さい。


縮毛矯正の際に使う前処理剤は 薬剤の浸透を均一にするものだったり 後処理剤は熱からの保護 脱アルカリによってダメージの進行を防ぐものだったりと 色々使い分けていますが、それもダメージを最小限にするものです。


縮毛矯正においての 最高のトリートメントは ダメージを最小限にして 最大のツヤ感や扱いやすさを出すことだと思います。


それには毛髪に合った薬剤の選定 浸透判断 適切なアイロン温度と施術等 色々な要素が絡まって完成します。


偉そうな事を述べてますが これらの達成が易しかったり難しかったりします。

一人で薬剤塗布からアイロン操作全てやるのが一番大事なのか?

一人でやっても左右のアイロン操作に癖があって違う場合もありますし カラー等でダメージが進んでる場合は 複数のスタッフでの素早い薬剤塗布が必要な場合もあります。


縮毛矯正は外科手術に似た部分もあり 一人で全てやるから良いという訳ではありません。独りよがりになってる場合もあります。


複数のスタッフによる色々な部分でのチェックも必要な時もあります。当店は小規模なサロンですが


大規模サロンでもスタッフ間の技術レベルの統一 意思の伝達がしっかりしてる所は スピーディーかつ快適に施術されたりします。


一番大事なのは 髪やヘアスタイルに対しての思いやりと熟練度ではないでしょうか。


非常に扱いが熟れていても 雑な施術をする一人の技術者もいます。また 多少経験は少なくても丁寧なスタッフもいますし 矯正を沢山やってる者もいます。


サロンによって矯正を多くやる所と 少ない所では スタッフのレベルも違い 得手不得手が出やすい技術です。

髪の毛に関して何故 誇大広告や「嘘」がまかり通るのか?

おそらく髪の良し悪しは健康や命にかかわらないから だと思います。


また口から薬剤を投与するのではないので 健康への影響も少ないからだと思います。


毛髪科学は残念ながら 命にかかわらないので 非常に遅れています。国家予算をかけて治療薬を開発するような物ではないのです。


男性の脱毛症治療薬も そのものの研究からではなく 前立腺癌の治療薬の副作用から発見されました。


毛髪科学は民間会社が 細々とした研究の中で進められているのが実情です。


また髪の毛は次からと生えてくるので 失敗しても永久に取り返しがつかないわけではないです。


ヘアカタログに載ってるスタイルでも 実際にはヘアアイロンで巻いただけなのに パーマをかけたという「嘘」も当然のようになってます。

低温アイロンによる縮毛矯正は 高温アイロンより痛まずにより自然な仕上がりか?

正直 わかりません。


低温アイロンで短時間の施術なら確かに ダメージが軽減されますが、低温アイロンの場合は長い時間髪に当ててる傾向があります。


短時間で高温アイロンの方法とどちらが痛むか比較が難しいのです。適切な例ではありませんが 高温で調理したほうが 素材の水々しさが残る場合もあり 低温での料理でべちゃべちゃになってしまう場合もあります。


要は髪の素材に合わして温度を変えたほうが良いと私は思います。 どちらの方法を否定するものでなく 適切に髪の癖が治ってる方が大事です。

もっとシンプルに縮毛矯正を考えられないか?

大量のネットでの情報を調べたり、最新とする講習を受けても 正直何も響くものがありません。


色々な薬剤、処理剤を駆使し「何とか何とか…法」とかのネーミングも立派なのですが、肝心の仕上がりが???


まずは きれいに癖が伸びなくては。そして、扱いやすく求めるヘアスタイルに対応しないといけないと私は思います。


メーカーは色々なものを売りたいがために付加価値をつけようと間違った?情報を流し、それを受けた美容師が偏ったケミカルオタクになり 肝心の部分を忘れてる気がします。

材料を大量に安く仕入れてるから 縮毛矯正の料金を安くできるというのは 本当なのか?

美容の料金に占める材料費の割合は 実はかなり少ないのです。人件費、テナント料、広告費の方がはるかに高いです。当店も薬剤を大量に購入してるので、多少は安くできますが、実際の価格に反映できるのは ¥100程度だと思います。原価率が高いお寿司屋さんが マグロを大量購入してるから、安価で提供できるのとは違うのです。


「当店は 材料を大量に仕入れてるので 安価なサービスを提供できます。」とホットペッパー等の広告でうたい、都心で営業してる場合は 最大の人件費を削るために 1人の担当者が多くのお客様を抱える方法しか、私には思いつきません。

縮毛矯正の職人とかを自負してるサロンが多いのですが、どうなんでしょうか?

「職人」というイメージは何でしょうか? こだわりを持ってどこか1本筋が通ってる。無口でチャラチャラしてない。仕事はしっかりしてるとか......。他人が見て「職人」だと評価するのは 良いのですが、自分で「職人」とうたってる場合は 美容師だけでなく ラーメン屋さんその他の人も勘違いしてることが多い気がします。
自分は「職人」だから無口→ ただの不愛想ではないか。
「職人」だからこういう仕事をする。→ 新しいことを受け入れずに 押し付けていないか。お客様の意見や好みを汲み入れようとしないのではないか等 
お客様が主体なのに「職人」という言葉で逃げている気がします。こだわるのはプロとしては当たり前 高らかに標榜する必要はないはずです。