第2回 プロとは
以前アシスタントの時から店長までお世話になったお店で毎朝、「プロとは10か条」を唱和してました。
「プロとは仕事に命をかける人である。」
「プロとは不可能を可能にする人である。」
「プロとは時間よりも目標を中心に仕事をする人である。」.......。
それはそれですばらしい言葉で私の仕事に対して影響はあるのですが、今は唱和していません。
昔、スタイリストになって半年の時、売り上げが伸び悩んだ。
先輩から「プロなんだからお客さまが来たら頭の上に一万円札がピラピラしてると思え」といわれた......。
近眼だったせいか何も見えない。
「銀座のNo.1ホステス(当時はバブル全盛)のように、常にお客さまを金だと思って仕事しろ」......。
私はNo.1じゃない、No.7ぐらいだ。
ましてやホステスではない。
こんな調子だから「プロ=お金」というのは納得はしていたが、少し疑問も抱いていた。
お店をオープンしたての頃、全くのゼロからの出発なので予想は出来てたはずだけど、本当に暇で毎月の支払いは100万以上あるのに収入がない。
100億円の借金をするのが夢なのに目の前の100万円でイッパイイッパイ。
そんな状況だと見えないものまで見えてくるのです。
受付に座って外の通り過ぎる人を眺めていると
「あの人はだいぶ髪の毛が伸びているな。ヨシ!5000円だ!」
「あのおばさんは白髪染めとパーマで15000円!」
「あのホームレス、おっと、プライスレス。」
ダメだ、ダメだ妄想が......。
そんな時あるテレビ番組のインタビューで当時オリックスのイチローは「あなたにとってプロとは?」と質問され「そんなことを考えていたら野球が楽しくないですよ。」
オオット!!これだぁ〜!!
一番プロフェッショナルな人が「まず楽しめ」だと。
やっと呪縛から解放された。
まず、「ヘアースタイルを造る事に喜びよ!!」
おかげさまでWOOPも非常に順調とはいえないけど、5年間少しずつ売り上げも伸びてきました。
しかし、ここ2年前年度割れをするようになりました。
クッ
ゴールデンウィークは例年暇です。
今日も受付終了1時間前に予約の電話が入りました。
鈴木さん、ヘアカラーとカット「ヨシッ!10800円!トリートメントもするだろうから12400円!シメシメッ♪」
そうして20分もすると鈴木さんはいつもの愛くるしい笑顔で入店してきた。
頭の上に一万円札が2枚ヒラヒラ♪
見える♪
断ち切れー!!
WOOPはいかなる時もお客さまの「キレイの創造」によろこびを感じ、力を尽くしたいと切に願います。
04.04.29